研究

大学との共同研究による成果

学校現場で先生方がより使いやすく教育効果のある教材や、教材の活用方法について、
大学等との共同研究に積極的に取り組み開発しています。
ここでは、共同研究の成果の一部をご紹介いたします。※所属は論文発表時のものです。

東北大学大学院・堀田龍也研究室との共同研究
(学校教材のデジタル化対応に関する研究 等)

学校教材を活用した指導法の研究および普及を行う。あわせて、より良い学校教材開発に資するための誤答分析や、教員による採点の実態調査等を実施する。

小学生の漢字書き取りにおける誤答の分布および
教員の採点における重要度に関する分析(2015)

堀田龍也(東北大学大学院)、中沢美仁(富山大学)、長勢美里(上市町立上市中央小学校)、山口直人(教育同人社)、高橋 純(富山大学)

小学校3-6年生児童を対象として漢字書き取りテストを実施した。475名の児童の回答を15の誤答パターンに類型化したところ、「つけるべき所を離している」「はねるべき所をとめている」に属する誤答の出現率が高かった。小学校教員に対して15の誤答パターンを提示し、漢字書き取りの採点時にどのぐらい重視して採点しているかについて調査した。952名分の有効回答から、それぞれの誤答パターンに対する教員の重要度が得られた。これらの結果から、デジタル教材を開発する際の指針を検討した。
(日本教育工学会研究報告集、JSET15-3、pp.175-182 掲載)

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日本教育工学会 投稿規定2-3にもとづき、著者の山口が所属する組織のWebサイトで公開するものです。

東京学芸大学・高橋純研究室との共同研究
(新学習指導要領に対応した教材開発 等)

2019・20年度研究テーマ …新学習指導要領に対応した教材開発

2018年度研究テーマ …児童が学習過程を身に着けるためのツール(シール)の開発

2017年度研究テーマ …教員志望の学生を対象とした、小学生向け漢字ドリル指導法を学ぶための講義パッケージの開発

2015年度研究テーマ …教員の経験年数や漢字指導法、ICTを活用した漢字指導についての実態調査および、それらの指導法と児童の漢字の読み書きの正答率との関係分析

2015年までは富山大学 高橋純研究室との共同研究。

GIGAスクール時代に対応したクラウド教材の開発(2020)

タブレットとノート(紙)を併用し、GoogleFormsで作られた確認問題に取り組むことで、既習漢字の定着確認と苦手な漢字の自覚を促すことができる教材の開発と実証実験を実施。また、研究成果を報告するセミナーを開催。
この成果をもとにしたサービスも2021年度より展開。

見方・考え方を働かせて解くワークテスト問題例の開発(2019)

新学習指導要領に対応した、見方・考え方を働かせて解くワークテスト問題例を開発した。
また、研究成果を報告するセミナーを開催した。

小学生向け漢字ドリル指導法を教員志望学生が学ぶための
講義パッケージの開発(2018)

仲間 妙(東京学芸大学)、佐藤和紀(常葉大学)、梶本佳照(新見公立短期大学)、磯崎ひろみ(教育同人社)、高橋 純(東京学芸大学)

教員が授業場面での漢字の具体的な指導法に悩んでいるという先行研究等をもとに、教員志望の学生を対象とした、小学生向け漢字ドリル指導法を学ぶための講義パッケージを開発し実施した。その結果、漢字ドリル指導の自信向上が見られたほか、開発した講義パッケージが漢字ドリル指導のイメージを具体的に伝えることに効果的なことが示唆された(本研究は、日本教育工学研究協議会で報告した内容を加筆・修正したものです)。
(日本教育工学会論文誌、42(Suppl),pp,125-128 掲載)

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日本教育工学会 投稿規定2-5にもとづき、著者の磯崎が所属する組織のWebサイトで公開するものです。

児童が学習過程を身につけるための学習シールの活用(2018)

高橋 純(東京学芸大学)、佐藤和紀(常葉大学)、横溝卓也(さいたま市立北浦和小学校)、水谷年孝(春日井市立出川小学校)、安里基子(東京学芸大学)、青木栄太(内田洋行)、清水悦幸(教育同人社)

主体的な学習活動を通して、児童に思考力・判断力・表現力等を育むためには、あらかじめ児童が学習過程を身に付けておくことが望ましい。そこで学習過程を意識しながら繰り返し学習をするための学習シールを活用する実証実験を行った。その結果、多くの教科等で日常的に活用され、教員は効果を感じていることが明らかとなった。
(日本教育工学会第34回全国大会講演論文集 JSET34 ,pp,765-766 掲載)

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日本教育工学会 投稿規定2-5にもとづき、著者の清水が所属する組織のWebサイトで公開するものです。

教員養成大学において小学生向け漢字ドリル指導法を学ぶための
講義パッケージの開発(2017)

仲間 妙(東京学芸大学)、佐藤和紀(常葉大学)、梶本佳照(新見公立大学)、磯崎ひろみ(教育同人社)、高橋 純(東京学芸大学)

教員志望の学生を対象に、小学生向け漢字ドリル指導法を学習するための講義パッケージ(漢字ドリルの基礎知識を学び、模範授業映像の視聴後、指導法を練習する)を開発し実施した。その結果、漢字ドリル指導の自信向上が見られたほか、開発した講義パッケージが漢字ドリル指導のイメージを具体的に伝えることに効果的なことが示唆された。
(第43回 全日本教育工学研究協議会全国大会 和歌山大会、講演論文集 pp315-318 掲載)

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教員の経験年数や漢字指導法が
児童の漢字読み書きの正答率に及ぼす影響(2015)

高橋 純(富山大学)、長勢美里(上市町立上市中央小学校)、中沢美仁(富山大学)、山口直人(教育同人社)、堀田龍也(東北大学大学院)

漢字の読み書きは学力の基礎として重要視されているものの、教員は具体的な漢字指導法について悩んでおり、様々な指導法のうち、何が効果的なのかも明らかとなっていない。本研究では、教員の経験年数や指導実態が児童の漢字読み書きの正答率に及ぼす影響について検討した。結果、読み書きの正答率は、教員の経験年数、ICT活用歴及び漢字指導におけるICT活用頻度と関係がみられなかった。また、教員の経験年数が長いほど頻度の高い漢字指導法がみられたが、それらを用いることで、児童の漢字読み書きの正答率が高くなるとは認められなかった。
(富山大学人間発達科学研究実践総合センター紀要 教育実践研究 No.10:53-60 掲載)

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小学校教員の各漢字指導法の指導頻度と
児童の漢字読み書きの正答率の関係(2015)

高橋 純(富山大学)、長勢美里(上市町立上市中央小学校)、中沢美仁(富山大学)、山口直人(教育同人社)、堀田龍也(東北大学)

小学校教員を対象に各漢字指導法の指導頻度や、児童を対象に漢字の読み書きの正答率、教員の経験年数等を調査した。それらの結果から、教員の各漢字指導法の指導頻度、教員の経験年数やICT活用が、児童の漢字読み書きの正答率に、どのような影響を及ぼすかについて検討した。その結果、読み書きの正答率は、教員の経験年数、ICT 活用歴及びICT の漢字指導における活用頻度と関係がみられなかった。また、教員の経験年数が高いほど頻度の高い漢字指導法がみられたが、それらを用いることで、児童の読み書きの正答率が高くなるとは認められなかった。
(日本教育工学会研究報告集 15(3), 167-174, 2015-07-04 掲載)

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日本教育工学会 投稿規定2-5にもとづき、著者の清水が所属する組織のWebサイトで公開するものです。

東北学院大学・佐藤正寿研究室との共同研究
(見方・考え方を育てる社会科教材開発)

小学校5・6年生において、社会科教科書で扱われる重要資料の「社会的な見方・考え方」を育成する「資料読解ワークシート」および教員向け資料「活用ナビ」の開発を行う。

小学校社会科における資料読解のためのワークシートの開発と評価(2020)

佐藤正寿(東北学院大学)、山田智之(教育同人社)、松本卓也(教育出版)、秦浩人(教育出版)

佐藤ほか(2018)は、教師の発話を目的別に分類化した研究は限定的であるとして、小学校第5学年社会科のグラフ資料読解のための発話の調査・分析を行い、グラフの種類や特徴に応じて発話を類型化できることを示した。一方、児童がグラフ資料を対象化し解釈するための発話があまり見られず、その必要性の啓発が課題とされた。
その課題解決の方法として、本研究では、資料読解のためのワークシートの開発に取り組んだ。児童が資料を読解するための視点をワークシート上に示すことで教師の発話を促し、ワークシートに基づいた学習活動をする過程で、児童が資料の読解の視点を身に付けることをねらいとした。
ワークシートには、本時の中心資料とその読解のための問いや指示の他に、資料読解から本時のねらいに迫るための「中心的な問い」と「まとめ」の項目等を掲載し、資料読解のための視点を問いや指示の形で問題文に示すこととした。授業実践を通して検証し、児童・教師双方に対するワークシートの有用性が確認された。
(日本社会科教育学会全国大会発表論文集第16号、第70回全国研究大会、pp.50-51 掲載)

小学校社会科における資料読解のためのワークシートの開発(2020)

佐藤正寿(東北学院大学)、山田智之(教育同人社)、徳本恭子(教育同人社)

佐藤ほか(2018)は、教師の発話を目的別に分類化した研究は限定的であるとして、小学校第5学年社会科のグラフ資料読解のための発話の調査・分析を行い、グラフの種類や特徴に応じて発話を類型化できることを示した。一方、児童がグラフ資料を対象化し解釈するための発話があまり見られず、その必要性の啓発が課題とされた。さらに、小学校教師を対象とし、絵画資料の読解技能に関わる意識および読解場面における教師の発話について調査・分析した結果、絵画資料の読解技能の重要性は理解しつつも、自らの指導方法や指導内容は不十分と考えている教師が多いことが確認された。
これらの課題解決の方法として、本研究では、小学校社会科教科書の資料を対象とした資料読解のためのワークシートを、資料読解の視点を記載する形で20本開発し、授業実践により検証した。授業実践では、ワークシートの内容に基づいた学習活動をすることで、資料読解の視点を学習者が学ぶ様子が見られた。
(東北学院大学教育学科論集、第2号、pp. 45-51 掲載)

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小学校6年生社会科における絵画資料の読解に対する教師の意識と、
絵画資料読解場面における発話に関する考察(2019)

佐藤正寿(東北学院大学)、山田智之(教育同人社)

絵画資料を扱う小学校6年生の社会科を対象とし、絵画資料の読解場面における教師の発話に着目して、その具体的な発問・指示および読解に関わる意識等について調査を行った。その結果、絵画資料の読解技能の重要性は理解しつつも、その指導方法は不十分と考えている教師が多いことが確認された。また、発話を類型化することで、絵画資料で学習のねらいに直結する発話を教師が意識していること、基本的な確認や読み取りのための発話や、絵画資料の制作者の意図を考える発話を重視することが重要であることが示唆された。
(東北学院大学教育学科論集、第1号(創刊号)、pp. 35-41 掲載)

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小学校5年生社会のグラフ資料の読解における
教師の発話に関する考察(2018)

佐藤正寿(東北学院大学)、堀田龍也(東北大学大学院)

扱われる統計資料数や指導内容が増える小学校5年生の社会科を対象とし、特に資料の読解場面における教師の発話に着目して、その具体的な発問・指示等について調査を行い、結果を分析し、目的別の発話の割合や内容の傾向を明らかにした。その結果、グラフの基本的項目を確認する発話が多く見られたほか、グラフの種類や特徴に応じて発話を類型化できることが示唆された。
(日本社会科教育学会全国大会発表論文集第14号、第68回全国研究大会、pp.220-221 掲載)

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